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東京歯科大学 千葉病院

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二段階法による口蓋形成術

二段階法による口蓋形成術

比較的早期に口蓋形成術を行うことは言語機能の獲得という点から見れば有利です。しかし一期的に口蓋形成術を施行すると口蓋の骨膜を傷つけてしまい、その瘢痕が上顎の劣成長を引き起こします。それを回避する手段が当院で採用している二段階口蓋形成術です。
まず、1歳6ヶ月時に口蓋裂の後方部分(軟口蓋)を形成します。手術手技的には口蓋の骨膜をほとんど触らずに行うため、術後の顎顔面の成長抑制はほとんど起きません。前方部(硬口蓋)はまだ開いたままですので多少の開鼻声は生じますが、筋肉が形成されているために言語機能のポテンシャルは充分にあります。
4歳6ヶ月になった頃に前方部を閉鎖(硬口蓋形成術)します。破裂部は後方を閉鎖しておいたためにその幅は狭くなってきているので、手術の侵襲は少なくてすみます。この頃になると上顎の成長は成人の約8割が終了しているため、骨膜を処理しても、成長抑制に及ぼす影響はごく僅かです。小学校入学前に正常言語を獲得できます。瘻孔の発生は少なく、口蓋の知覚や感覚の障害は軽微です。
なお、不完全口蓋裂の場合には1歳6ヶ月で1回法による口蓋形成術を施行しています。

口蓋形成術イメージ01

1歳6ヶ月の口腔内
口蓋裂が残存しています。
この時期に口蓋後方の軟口蓋のみを閉鎖します。

口蓋形成術イメージ02

軟口蓋形成後
口蓋前方部(硬口蓋)のみ破裂は残存していますが4歳6ヶ月の頃まで自然に閉鎖していきます。

口蓋形成術イメージ03

硬口蓋形成後
良好な歯列弓が形成されています。
(今後、歯科矯正治療を行います。)