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東京歯科大市川総合病院サイト

血管外科(リーダー:原田准教授)

静脈瘤全般 Q&A

下肢静脈瘤とは何ですか?

下肢静脈瘤というのは、脚(あし)の表面にある血管がふくれてがん(こぶ)のようになってしまう病気です。
重症なものでは一目でそれとわかるほどボコボコと膨れてしまい、皮膚が硬くなったり変色してしまうものから、軽いものでは狭い範囲に毛細血管が浮き立ったように見えるだけのものもありますが、全てを含めて 静脈瘤と呼びます。

なぜ静脈瘤ができるのですか?

多くの静脈瘤は、脚の静脈が壊れてしまうことでできます。
簡単に言えば、静脈が壊れたために、心臓に向かって戻ってゆかなければならない血液がうまく流れなくなって、その場に溜まってしまうのです。
さらに詳しい仕組みを知りたい方は、先にお読み進みください。

どんな症状が出ますか?

何も自覚症状がなく、見た目が悪いことだけを訴えられる方が多いのですが、よく聞くと静脈瘤に特有の症状がでているということも少なくありません。
典型的なのはむくみ、だるさ、鈍痛、熱い感じ、かゆみ、皮膚の湿疹、よく脚がつる、脚が疲れる、などです。
ひどくなると皮膚に色素がついて黒ずんだり、硬くなったり、皮膚がえぐれて潰瘍ができたりします。

静脈瘤を放っておくとどうなりますか?

静脈瘤は、急激に悪くなることはありません。多くは数年~数十年のゆっくりした経過で徐々に悪くなります。
しかし、自然に治ってしまうことはありませんし、ゆっくりではあっても進行してゆくのが普通です。
治療は程度が軽いほど楽ですから、進行する前に治療してしまった方が得策なのは間違いありません。

静脈瘤が命にかかわることはありますか?

ほとんどありません。ですからよほど重症のものを除いて、慌てて治療する必要はありません。
しかし、命にかかわることも皆無とは言えません。知られているのは肺塞栓症という病気の合併です。これは静脈瘤の中で血の塊ができて肺に流れてゆき、肺の血管を詰めてしまうもので、長い時間飛行機に乗って動かないでいるときなどに起こる「エコノミー症候群」などという名称で知られているものと同じです。

知り合いが動脈瘤の破裂で亡くなっているのですが、静脈瘤は破裂しませんか?

静脈瘤は破裂して命にかかわると言うことはありません。
出血すると止まりにくいですが、脚の表面ですし命を脅かすほどになることはまずあり得ません。

静脈瘤のできる仕組みを詳しく教えてください。

脚の静脈は、脚の血液を心臓に戻すための血管です。そのため、正常な流れの方向は下から上向きになっているはずです。
すなわち、脚の静脈の流れはいつも重力に逆らって無理をしているのです。 このため、脚の静脈には竹の節のような形で「弁」が何個もついています。
この弁は下→上の流れの方向にしか開かず、血液の逆流を妨げる役割をしているのです。
しかし、何らかの原因でこの弁が壊れてしまうと、静脈の血流は重力によって容易に逆流してしまうのです。
表面にある静脈は比較的この弁が壊れやすく、壊れてしまうとその部分の血液はもはや上にうまく流れていきません。
したがってそこに余分な血液が溜まり、血管がどんどん膨らんでがんのようになるのです。
すなわち、静脈瘤は静脈の弁が壊れたために余分な血液が溜まってできるものと考えてほぼ間違いありません。

治療全般 Q&A

私の静脈瘤はもう何十年も前からあるのですが、治りますか?

本当の静脈瘤であれば、どんなに長い期間が経っていても、逆にどんなに軽症のものでも、治療はまず間違いなく可能です。
「本当の」と申しますのは、静脈瘤ではなく他の原因で血管が膨れて見えることもあるからです。
専門医が診察すればすぐにわかりますのでお任せください。

他の病院で、治療は必要ないと言われましたが本当ですか?

先に書きましたように、静脈瘤というのは、「いま」「かならず」治さなければならないという性質のものではありません。
その意味では「必要ない」というのは間違いとは言えないわけですが、私どもは患者様が「治したい」と思われた時点で治療の必要性があると考えています。
患者様のご希望に沿うように治療をさせていただく方針です。

圧迫するストッキング(弾性ストッキング)をはいていれば治ると言われましたが・・・

弾性ストッキングは、静脈瘤を圧迫によって適度につぶしてしまう役割があり、静脈瘤が進むのを妨げ、症状をやわらげる作用があります。
そのため、静脈瘤と診断した方には全員に購入をお勧めしています。
しかし、ストッキングをはいていれば静脈瘤が治るというわけではありません。進行をある程度予防しますが、静脈瘤をなくしてしまうわけではないのです。

仕事が忙しく、入院はできないのですが治療は不可能でしょうか?

当院では、基本的に短期入院での手術(ストリッピング手術)を行っています。ですので、手術が必要な方は入院治療となってしまいます。
一方、2011年から「レーザー焼灼術」が保険適応となり、この方法ですと局所麻酔ですので日帰りでの手術が可能です。
ごく軽症の静脈瘤については、硬化療法、あるいは結紮手術と硬化療法の組み合わせですと日帰り治療も可能です。

両方の脚を一度に治せますか?

硬化療法、手術とも両方同時に可能です。
手術の入院期間も全く変わりません。

静脈瘤抜去手術 Q&A

抜去手術の場合、入院は何日くらいになりますか?

通常は手術の前日に入院していただき、手術の2-3日後には退院可能です。
よって3-4泊程度の入院が普通ですが、患者様のご希望により手術翌日の退院、あるいは1週間程度まで延ばすことは可能ですのでご相談ください。

手術後、退院したあとは通院が必要ですか?

手術の傷は溶ける糸を使って、皮膚の下で縫うので抜糸は要りません。ですから退院後には、翌週に一度、静脈瘤の消え具合を見せていただくだけです。
問題なければその後の通院は不要ですが、小さな静脈瘤が残っていて治療をご希望の場合は、外来通院にて硬化療法を追加することも可能です。

静脈を取ってしまうと言われたのですが、そのあとの血の流れは大丈夫なのでしょうか?

脚の表面の静脈は何本もあるので、部分的に取ることにそもそも何の問題もありません。
ましてや静脈瘤になってしまった静脈は、もはや正常の働きをしていませんから、取ってしまうことによって悪影響は全くありません。むしろ余分な血液が溜まらないために、だるさやむくみなどの症状はよくなるのです。

後遺障害はありませんか?

通常は、歩行や日常生活が困難になるような後遺障害は起こりえません。一般的に、静脈瘤抜去手術の後遺症として、しびれなどの神経障害が報告されていますが、当院では神経に近い膝より下は抜去しませんのでこのようなことは起こりません。
手術自体の合併症としては、皮下血腫(青あざ)やそれに伴う痛みなどですが、数日から数週間で完全に消えます。

費用はいくら位になりますか?

抜去手術は健康保険の適応で、保険で定められた手術料は片側で約10万円です。これに麻酔料、入院料、処置料、薬剤料などが加算されて費用が決まりますが、普通は30万円程度になるようです。このうち、自己負担分をお支払いいただくようになるわけです。

硬化療法 Q&A

硬化療法とはなんですか?

静脈瘤を硬化剤という薬で「つめてしまう」治療です。硬化剤はポリドカノールというアルコールの一種で、正常な血管に少量を注射してもつまってしまうことはありませんが、静脈瘤のように病的な血管に注射すると炎症を引き起こし、その結果つまってしまいます。
つまった血管はしばらくしこりのように残りますが、もう血液は流れておらず、数ヵ月後には消え失せてしまいます。
最終的には、手術で取ってしまうのと同様に血管をなくしてしまうことができるのです。
しかし欠点は、重症の静脈瘤をつめるのは難しいということと、しこりができるということです。ある程度までの静脈瘤に対しては手軽で非常にいい治療となります。

私の静脈瘤は硬化療法で治るのでしょうか?

硬化療法は手ごろで優れた治療法ですが、残念ながらどんな静脈瘤もこれで治るというわけではありません。重症の静脈瘤にこれを行うと危険なことさえあります。適切な治療法については担当医にお尋ねください。

具体的にはどのようにやるのですか?痛くはないですか?

静脈瘤に直接針を刺して、硬化剤を注入します。針は27Gという非常に細いものを用いますので、針自体の痛みは最小限です。薬剤を注入するときには多少の鈍痛があることもありますが、我慢できない痛みというほどのものはありません。
これを一度に数箇所行い、その後は包帯をきつめに巻いて終わりです。もちろん、自力で歩いて帰れます。包帯は自宅で翌日に外していただきます。

硬化療法の副作用はありませんか?

一般的な副作用は、皮膚に色が残ること、そして血栓(静脈瘤が固まったあとのしこり)ができることです。しかしこれらは数週間~数ヶ月以内には気にならない程度まで回復します。完全に消えるまでには1年以上かかることもあります。
大きな静脈瘤に硬化療法を行うと、このしこりがひどく出てしまい、炎症を起こしてかなりの痛さになることもあります。また、血栓が肺に飛んでしまう「肺塞栓症」などの危険性も出てきます。これらが重症の静脈瘤に硬化療法を行わない理由です。

硬化療法の費用はいくら位ですか?

健康保険で定められた費用は、片側で17200円で、これに診察料などが加算され、保険での負担分をお支払いいただくことになります。