本文へ

【全・市川】logo

  • 標準

【全・市川】tel

047-322-0151(代表)

H1

頭痛診療について

コンテンツ

頭痛診療について

頭痛が起こりやすいという方は是非当科を受診ください。当科には日本頭痛学会認定頭痛専門医2名を含む神経内科専門医が4名在籍しており、豊富な経験に基づいて丁寧な診療を行っています。頭痛の原因は様々です。例えば、くも膜下出血は生命に危険の及ぶ重篤な疾患であり、脳神経外科との密接な診療連携が必要です。さらに、眼科や耳鼻咽喉科や歯科口腔外科に関連した疾患でも頭痛は起こりますが、当院では医科と歯科が協力し合って大学病院ならではの質の高い診療を行っているため、頭痛診療の幅広いニーズに対応できます。当院には高性能の画像診断機器が装備されておりますので、しっかりした診断の上で治療を行います。片頭痛に対しては、カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)を標的にした抗体薬 (表)を含めて、患者さんの重症度に応じた標準的な治療を提供しています。また、臨床治験にも参加し、新しい治療法の開発にも協力しております。
神経内科で診察機会の多い片頭痛と群発頭痛について以下に解説します。

<片頭痛>

非常に多くの患者さんが片頭痛で困っていることが知られていますが、実は患者さん自身が片頭痛を病気だと気づいていないことがよくあります。片頭痛という名前ではありますが、頭痛が両側に起きることも多いです。次のような特徴があれば片頭痛かもしれません。

片頭痛

◆ 繰り返し頭痛の発作が起こる。
◆ 頭痛が起こる前に、目が見えにくくなったり、
チカチカしたものが視野に現れたりする。
◆ ドクンドクンと脈打つような痛みが何時間も続く。
◆ 頭痛と同時に吐き気がする。
◆ 頭痛がある時に動くと頭痛が強くなって動けない。
◆ 頭痛がおきている間は、周りの光や音やにおいに過敏になる。
◆ 月経と連動して頭痛が起こりやすい。

片頭痛は全人口の約10%が罹患していることが知られています。また、男性よりも女性の患者さんが多く、無理して家事や仕事を続けていたり、勉強に支障が出ていたりする事例を我々は多く経験しています。さらに、片頭痛に対して薬局で購入した鎮痛薬を服用している患者さんの中には、「薬剤の使用過多による頭痛」を起こすことで、かえって症状が悪化している方も散見されます。是非、専門医を受診して正しい診断と治療を受けてほしいと思います。当院では問診とともに適切な画像検査を行って慎重に診断を行います。片頭痛の病態が明らかになるにつれて、CGRPが頭痛の発生に重要な役割を果たすことが明らかにされました。現在、CGRP関連抗体薬が3種類使用可能になっています(表)。2022年5月からエムガルティには在宅自己注射が認められました。当科でもこれらの薬の使用を含めて、患者さんの生活の質を重視した片頭痛診療を行っております。

<群発頭痛>

片頭痛と比べると頻度は低い疾患ですが、痛みが非常に強いため、患者さんにとってかなり つらい頭痛です。若い男性に多いのですが、男女問わず幅広い年齢層に見られる疾患です。群発頭痛は必ず片側で起こります。次のような特徴があれば群発頭痛かもしれません。

群発頭痛

◆ ある時期になると毎日頭痛発作に悩まされる。
◆ 目の奥が激しく痛むことがある。
◆ 睡眠中に頭痛が起きて目が覚めてしまう。
◆ 頭痛が起きている間に、涙や鼻水がたくさん出る。
◆ 頭痛発作の時間は長くても数時間程度である。
◆ 頭痛発作は1日に何回も繰り返すことがある。
◆ 頭痛がひどいと頭を壁に打ち付けたくなる。
◆ アルコールを服用すると頭痛発作が誘発される。

群発頭痛は正しく診断されていないことがあり、歯科疾患や三叉神経痛と診断された結果、不適切な治療を受けていることもあります。本疾患は適切な診断と在宅酸素療法を含めた治療を受けることで、生活の質が著しく改善されます。

片頭痛や群発頭痛は、画像診断で病変が見つかるような疾患ではないため、以前はとらえどころのない疾患とみなされ、診療もおろそかになりがちでした。しかし、病気のメカニズムの解明が進み、それに伴って治療法も大きく進歩しています。当科では日本の頭痛診療を先導する専門医が診療にあたっており、新しい知見に基づいて、患者様の生活の質の向上や要望を重視した治療を行います。

一般名 ガルカネズマブ エレヌマブ フレマネズマブ
エピトープ CGRP CGRP受容体 CGRP
以前の名称 LY2951742 AMG 334 LBR-101, TEV-48125
商品名 エムガルティ(Emgality®) アイモビーグ (Aimovig®) アジョビ (Ajovy®)
製薬会社 日本イーライリリー アムジェン 大塚製薬
抗体の種類 ヒト化抗体(IgG4) 完全ヒト抗体(IgG2) ヒト化抗体(IgG2Δa)
1回投与量 120 mg (初回のみ240 mg) 70 mg 225, 675 mg
投与頻度 1ヵ月毎 4週間毎 4, 12週間毎
投与ルート 皮下注 皮下注 皮下注
日本での認可時期 2021年1月 2021年6月 2021年6月

片頭痛の治験詳細のご案内はこちらから

片頭痛の治験詳細のご案内
片頭痛の治験詳細のご案内