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学生国際交流活動報告

学生生活
大学名
  • イエテボリ大学(スウェーデン)
  • ハイデルベルク大学(ドイツ)
  • タフツ大学(ボストン)

私はスウェーデンに渡航する前から、「予防歯科先進国」というイメージを持っていました。しかし、実際に現地に行き、自分の目で見て体験することで、そのレベルの高さを想像以上に強く感じました。特に印象に残っているのは、患者一人ひとりに40分以上の時間をかけて行われる丁寧な問診や説明です。日本ではここまで時間をかけて行うことはあまり多くないため、患者とのコミュニケーションを非常に大切にしていることが伝わってきました。また、小児のむし歯予防においては、子どもへのシーラント処置だけでなく、家庭全体のリスクを下げるために保護者への指導や治療も同時に行っている点が印象的でした。治療だけでなく、生活習慣や家庭環境まで含めて予防に取り組んでいる姿勢から、「予防を中心にした歯科医療」が実際に根付いていることを実感しました。
さらに、街中の薬局を訪れた際の光景も強く印象に残っています。歯科関連の商品が多く並んでいるだけでなく、多くの人が店員に質問をしながら自分に合った商品を選んでいました。その様子から、スウェーデンでは歯の健康を守ることが特別なことではなく、日常生活の一部として当たり前に意識されていることを感じました。このような雰囲気や価値観は、実際に現地に行かなければ分からないことであり、海外研修ならではの貴重な学びだと思いました。

二つ目に強く感じたことは、英語の重要性です。海外で学ぶ環境では、英語は「できたら良いもの」ではなく、「必要不可欠なもの」であることを実感しました。スウェーデンでは母国語がスウェーデン語であるにもかかわらず、多くの方が自然に英語を使い、専門的な内容についてもスムーズに会話をしていました。その姿を見て、日本との環境の違いを強く感じると同時に、自分自身の語学力についても考えさせられました。
一方で、完璧な英語で話せなくても、自分から話しかけることや、分からないことを質問する姿勢がとても大切であることも学びました。実際にコミュニケーションを取る中で、間違いを恐れずに伝えようとすることが、相手との距離を縮めることにつながると感じました。この経験を通して、普段から英語に触れ、実際に使う機会を増やしていく必要性を強く感じました。

今回の研修では、スウェーデンの学生たちの学習に対する姿勢や、ディスカッションへの積極性にも大きな刺激を受けました。自分の意見をはっきりと伝え、他者の意見を聞きながら議論を深めていく姿は、とても印象的でした。海外研修は、専門的な知識を学ぶだけでなく、自分自身の学び方や将来について考えるきっかけにもなる貴重な経験であり、今回の体験を今後の学生生活や将来の進路に生かしていきたいと感じています。

イエテボリ大学での研修の様子
イエテボリ大学での研修の様子
イエテボリ大学での研修の様子

一つ目は、「将来像を具体的に描くきっかけになること」です。
今回のドイツ研修では、現地の教育現場で活発に意見交換が行われている様子や、海外の医療現場で実際に臨床に携わる日本人歯科医師の姿を目の当たりにしました。その光景を見て、「国境を越えて活躍できる歯科医師になりたい」という将来像が、自分の中ではっきりと形になりました。その目標から逆算すると、英語力は「選択肢の一つ」ではなく、世界で活躍するための“必須の手段”であることを改めて実感しました。もちろん、すべての学生が同じ進路を目指すわけではありません。しかし、自分なりの将来像を早い段階で描くことができれば、卒業までの限られた時間を「何のために使うのか」が明確になり、より意味のある学生生活につながると強く感じました。

二つ目は、「自分たちの学ぶ環境を俯瞰できるようになること」です。
ドイツの大学で行われたカリキュラム紹介の中で、日本の授業内容について質問を受けた際、私自身が自分たちの教育体制について十分に説明できないことに気づきました。例えば、「日本ではなぜ補綴の授業時間が多いのか」という問いに対して、即答できなかったことは大きな学びでした。
後に、国ごとの高齢化率や医療制度、患者ニーズの違いによって、教育内容や重点分野が変わることを知り、自分たちが学んでいる環境にも明確な背景や意味があることを実感しました。これから歯科医師として臨床に携わる中で、自分の環境だけを当たり前として受け入れるのではなく、他国や他施設と比較しながら、良い点は伸ばし、改善すべき点は変えていく視点が重要になると感じました。海外研修は、単なる知識習得ではなく、「広い視野で医療を考える力」を養う貴重な機会だと実感しています。

三つ目は、「臨床現場で“意味を考える姿勢”の大切さを学べたこと」です。
手術室や診療現場では、一つひとつの工程に明確な理由と目的があり、「決まりだから行う」という作業はほとんど存在しませんでした。実際に現場で疑問に感じた点を質問すると、基礎知識と臨床判断が密接につながっていることを丁寧に説明していただき、学年の範囲を超えた内容でもすべてに根拠があることを知りました。
この経験から、第5学年で行う登院実習では、ただ指示をこなすのではなく、「なぜこの操作が必要なのか」「何を目的としているのか」を自ら考え、主体的に学ぶ姿勢が何より重要だと強く感じました。

今回のドイツ研修を通して、将来像を描くこと、視野を広げること、そして臨床に向き合う姿勢を見直すことの大切さを学びました。これから歯科医師を目指す私たちにとって、海外研修は知識以上の価値を与えてくれる、非常に貴重な学びの場であると感じています。
目の前の試験や実習、部活動に全力で取り組むことはもちろん大切です。しかし、5年生となり卒業まで残り2年という節目に立つ今だからこそ、「自分はどんな歯科医師になりたいのか」を一度立ち止まって考えることも非常に重要だと感じました。

ハイデルベルク大学での研修の様子
ハイデルベルク大学での研修の様子
ハイデルベルク大学での研修の様子

一つ目は、「事前準備が現地での学びの質を大きく変える」ということです。
姉妹校のタフツ大学を訪問しましたが、そこでのオリエンテーションでは、現地の教員の方々と直接英語で会話をする機会がありました。その中で、渡航前に英会話の学習に取り組んできて本当に良かったと実感しました。完璧に話せなくても、自分の言葉で伝えようとする姿勢があれば、相手も真剣に向き合ってくれます。海外研修は「行くだけ」ではなく、「準備して臨む」ことで、得られる学びの深さが大きく変わることを強く感じました。

二つ目は、「最新の教育環境とデジタル技術に触れることで視野が広がったこと」です。
タフツ大学のキャンパス見学では、外来診療室や講義室、学生のランチスペースなど、学習と臨床が自然につながる環境を実際に見ることができました。施設全体が新しく整備されており、診療科ごとに雰囲気が異なる点も印象的でした。
技工室では、デジタル技術を活用した補綴物製作について説明を受けました。特に、二層構造のディスクからミリングによって総義歯を作製できる技術を知ったときは、大きな衝撃を受けました。教科書で学ぶ知識だけでなく、最先端の現場を直接見ることで、歯科医療の進化を実感し、自分自身の将来像もより具体的になりました。

三つ目は、「学生主体の臨床教育の現場から大きな刺激を受けたこと」です。
学生診療室では、歯内療法の診療にアシストとして参加し、間近で学生の診療風景を見学しました。ほぼ同世代の学生が一人で診療を進め、患者対応から処置まで堂々と行っている姿は非常に印象的でした。診療スペース内でデンタルエックス線撮影が完結できる合理的な設計もあり、スムーズな診療体制が整えられていることを実感しました。さらに、Pre-Doctoral Clinicでは、朝と夕方に学生同士や指導医とのディスカッションの時間が設けられていることを知り、活発な意見交換が日常的に行われている教育環境に大きな刺激を受けました。私のこれまでの登院実習では、アシスト業務が中心となる場面も多く、それがいつの間にか「当たり前」になっていました。しかし、海外の教育現場を見て、同じ学年の学生が主体的に診療を行っている姿を目の当たりにし、机に向かう勉強だけでなく、実際に手を動かし、経験を積むことの重要性を強く感じました。

四つ目は、「社会全体の歯科意識の違いを肌で感じたこと」です。
市内の薬局を訪れた際、日本では歯科医院で行うことが多いホワイトニングを自宅で行えるキットが一般向けに販売されているのを見ました。この光景から、アメリカでは機能面だけでなく、審美性に対する意識も高く、口腔ケアが日常生活の一部として定着していることを実感しました。

今回のボストン研修を通して、準備の大切さ、最新医療への理解、学生主体の教育環境、そして社会全体の歯科意識の違いなど、多くの学びを得ることができました。海外研修は、知識だけでなく、考え方や行動姿勢そのものを変えてくれる貴重な経験であり、本学の大きな魅力の一つであると強く感じています。

タフツ大学での研修の様子
タフツ大学での研修の様子
タフツ大学での研修の様子