講座の特徴
Feature
~温故知新~ 歯科材料・器具・器械の変遷から学ぶ『思考できる歯科医師』の育成
近代の歯科診療は古くから行われているハンドメイド的な技法やデジタル技術を応用した技法などが混在しており、それに伴い使用する歯科材料も数多に存在する。
こうした背景をもとに、歯科理工学講座では学生教育として単純な知識の集積のみならず、物理学・化学・生物学の教養的知識を土台とした材料や器械、器具の特性を習熟させ、使用理由を考察することで、臨床現場での課題を解決できるように自身で能動的に思考ができる歯科医師の育成を目標に行っている。
研究では、歯科材料の変遷に応じた新規歯科材料の材料学的評価、新たな歯科用途への応用ならびに生体材料、器械の開発に関わる研究を行っている。また、毎月1回、歯科理工学のみならず歯科医学全般に関する知識の向上に努めるため、東京歯科大学理工懇談会を開催している。2025年4月現在、歯科理工学講座は常勤教員3名、歯科技工士1名、リサーチレジデント2名、客員教員2名、非常勤講師14名で構成され、学生教育および研究活動に従事している。
教育
Education


教養的知識 + 歯科理工学的知識 + 臨床的知識を柱とする教育
歯科で使用される材料は、金属、高分子、セラミックス、複合材料と極めて幅広い。これらの成り立ちは物理学・化学・生物学的知識を修得していなければ理解が難しい。加えて、このような物質が歯科材料としてどのような特性を有しているかを理解させ、最終的に臨床現場でどのように活用されているかまで修得する必要がある。
講義では、臨床に活かすために使用する材料と器具・器械の基礎的知識を教授するとともに、非常勤講師(開業歯科医師)によって臨床現場において実際に使用されている材料および症例を基礎的知識と結びつけながら提示し、使用する上での重要性を理解する。また、臨床系講座と連携して、高学年での基礎系講義の再履修を行い基礎と臨床の関連を中心に講義を行っている。演習および実習では教養系講座と連携し、教養的知識と歯科材料学の関係性の修得と、講義で学んだ歯科理工学の理解を深めるための基礎実習を行いながら、根拠に基づいた材料・器具・器械の特徴を習得することを目標とする。また、日進月歩で発展し続けている新しい材料や技術に対しても対応できる素養を身につけるとともに、設定されたテーマを基に学生自らが計画立案および実験を行う、総合実習を通じて歯科材料への理解を深めている。
研究
Research
時代の潮流に応じた歯科材料の評価・開発
最適な歯科医療を実現するためには、使用する材料や器材の特性解明や使用法の確立が重要である。各個人が独自の研究テーマをもち、臨床系講座の大学院生とともに隔週1回の抄読会(海外文献紹介)、月1回の研究会で海外のトピックスや研究内容の議論、研究進捗状況報告を行い、研究指針を得るとともに研究成果に対する解釈を深めている。
主な研究テーマ
- CAD/CAMによる金属材料の歯科応用
- スーパーエンジニアリングプラスチック(PEEK、PEKK)の特性解明(歯冠修復材料)、歯科応用(支台築造用材料)
- 新規歯科材料の接着カンチレバー装置への応用
- チタン金属冠の摩耗特性解明
- 顎顔面運動器のナノ構造特性・機械的性質解明
- MTAセメントの特性評価
大学内において他講座と連携するのみならず、他大学や学外の研究機関ならびに材料メーカーとも共同研究を行っているのが大きな特色である。得られた成果は積極的に国内外の雑誌への投稿や発表を行っており、臨床の現場に還元できるよう日々研究を続けている。