受賞情報 研究

田中亜生助教 第64回日本小児歯科学会大会で優秀発表賞および町田賞優秀学会発表賞を受賞

 2026年5月20日(水)から22日(金)に沖縄コンベンションセンター(沖縄県)において開催された第64回日本小児歯科学会大会にて、小児歯科学講座の田中亜生助教が優秀発表賞および町田賞優秀学会発表賞を受賞した。
 受賞演題は「双生歯の過剰歯部を分割抜去後、Mineral Trioxide Aggregate(MTA)を用いてVital Pulp Therapy(VPT)を行い、咬合誘導した1例」である。
 本発表では、双生歯が原因で犬歯が埋伏している症例に対する咬合誘導法を報告した。本症例は上顎右側側切歯が双生歯であり、同側の犬歯が埋伏していた。まず拡大装置を用いて上下顎の拡大を行い、埋伏歯の萌出スペースを確保し、双生歯には歯髄の共有を認めたため、癒合部を分割し、遠心部のみを抜去した。露髄部にはMTAセメントを用いてVPTを行い、コンポジットレジンにて形態修正を行った。その後の経過観察においては、VPT処置歯は生活反応を示し、埋伏していた犬歯の萌出は誘導された。一般的にこのような症例では、犬歯埋伏の原因となる双生歯を抜去することで萌出誘導を行うが、その結果として双生歯部が欠損することが問題となる。しかし本症例では、双生歯の分割抜去とVPTを併用することにより、欠損歯列を回避しながら有髄歯として保存することが可能であった。さらに、埋伏犬歯の萌出誘導にも成功し、健常な永久歯列の完成に寄与した。本手法は、小児歯科医療における新たな治療アプローチとして、今後の応用が期待される成果であると高く評価された。

受賞した田中亜生助教と子供(右)、櫻井敦朗准教授(左)、新谷誠康教授