2026年6月4日(木)から5日(金)に鎌倉芸術館(神奈川県)において開催された日本歯科保存学会2026年度春季学術大会(第164回)にて、歯周病学講座の森 心汰助教が日本歯科保存学会奨励賞を受賞した。本賞は、歯科保存学の領域における若手研究者の育成を目的に、雑誌掲載論文を審査対象とし、独創性、論理性、発展性および貢献性の観点から選考し表彰するものである。
受賞論文は「Therapeutic Potential of Local Application of Fibroblast Growth Factor-2 to Periodontal Defects in a Preclinical Osteoporosis Model」であり、国際誌Bioengineeringに2025年に掲載されている。研究内容は、骨代謝の変調が生じている骨粗鬆症状態下において、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)が歯周組織の治癒に及ぼす影響について、in vivoおよびin vitroの観点から検討したものである。
本研究では、骨粗鬆症モデルにおいて歯周組織治癒が低下する一方で、FGF-2の応用により新生骨形成が促進される可能性を示した。また、骨髄由来間葉系細胞を用いた解析により、FGF-2が細胞増殖や細胞形態、骨形成関連遺伝子発現に影響を及ぼすことを明らかにした。これらの知見は、全身的なリスク因子を有する患者に対する歯周組織再生療法の予知性の向上に寄与する可能性がある点で評価され、受賞に至った。今後,より詳細な分子メカニズムの解析を進めることで、病態に応じた歯周組織再生療法の確立への発展が期待される。
