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大きく分けて脳幹より上位の障害による中枢性と、脳幹より下位の障害による末梢性があります。
中枢性麻痺には、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害性や、先天的な橋延髄形成不全のメビウス症候群などがあります。しかし、中枢性の頻度は1%以下で殆どが末梢性によるものです。
末梢性麻痺には、ウイルスが関与するベル麻痺(突発性麻痺)やハント症候群、側頭骨骨折・顔面外傷・分娩障害などによる外傷性、耳下腺腫瘍・小脳橋角部腫瘍などによる腫瘍性、中耳炎などによる耳炎性、全身疾患や神経疾患に合併するもの、などがあります。頻度としては、ベル麻痺とハント症候群が全体の70%以上を占め、外傷性・腫瘍性・耳炎性などが各々5%程度です。
頻度の高いベル麻痺は、薬物などの保存的治療で8割以上がかなりの程度まで回復しますが、ハント症候群は5割程度でベル麻痺よりも予後は不良です。
外傷や腫瘍切除後によるものは、神経切断や神経損傷の程度が大きいものが多く、保存的治療だけでは回復が悪く、手術を要するものが多くなります。