本文へ
近年、子どもの歯(乳歯)のむし歯はかなり減ってきたとは言われているものの、重度のむし歯の子どもたちが、大学病院の小児歯科には今でも多く来院されます。「夜母乳を飲みながらでないと寝てくれない」「子どもが嫌がるので家で歯磨きができない」というような声もよく耳にします。 大学病院にいると、近年むし歯が減ったと言われるのは子どもたち全体のむし歯が減ったわけではなく、むし歯のない子と従来のまま多い子の二極化が進んでいるという印象を持ちます。 乳歯のむし歯の有無や程度は、家庭の生活習慣や地域性、保護者の意識や歯に関する知識がどの程度あるかが強く反映されます。乳歯にむし歯ができないように、またはできたとしてもしっかり治療、管理して健全な永久歯の歯並びをつくることが小児歯科の大きな目標であり、その後の長い人生の口や歯の病気のリスクを抑えるためにも非常に重要であると考えています。
小児歯科 櫻井 敦朗
一覧へ