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2024.09.20
市川総合病院では、毎月季節の室礼(しつらい・飾りつけ)を外来棟1階の渡り廊下に行っています。 毎月月初めの1週間ほど展示をしておりますので、ぜひご覧ください。 9月の室礼のテーマは『十五夜』です。 ●十五夜
中秋の名月は、旧暦の八月十五日で、新暦では今年は九月十七日です。 月を愛でる行事は中国では唐の時代より行われていました。日本には平安時代に伝えられて貴族のあいだでは「月見の宴(うたげ)」が華やかに催されて、舟遊び、水面(みなも)に映る月の美しさは和歌などにも詠まれていましたが、江戸時代になって一般にも広がりました。 十五夜は「芋名月」とも言います。里芋は稲作が始まる前より栽培されていて主食としていました。ちょうどこの時期里芋の収穫期にあたります。そしてこの時期の収穫物も一緒に供えます。 約一か月後の月見は「十三夜」で「栗名月、豆名月」ともいいます。今年は十月十五日です。この「十三夜」は日本だけの風習といわれています。両方の月を見ないと片見月といって縁起が良くないといわれてきました。 「隠し団子」は「月見泥棒」ともいわれ、「十五夜」の夜だけ、月よりの使者といわれている子供達が、棒に釘などを付けて作った差し棒で、お団子や供え物を差して持って帰ってもいいといわれています。お供えする側も盗みやすい位置を考えて、お供え物が全部なくなると縁起がいい、来年は豊作だと喜んだといいます。また子供達も盗んだお団子を食べると、健康でいられるといいます。子供のための大事なイベントで、今のハロウィンに似ています。
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