概要
当院は、我が国で2例目の体外受精・胚移植(IVF-ET)による妊娠・分娩に成功し、さらに本邦初の凍結受精卵による妊娠・分娩に成功するという歴史を持ち、生殖補助医療の分野で有数の実績を有しています。
さらに2002年からは女性不妊を担当する婦人科、男性不妊を担当する泌尿器科が、リプロダクションセンター科において、妊娠率の向上のみならず出生児の長期予後保証(健常性確保)を目指した総合的な不妊治療を行っています。
施設認定
- 生殖補助医療実施医療機関
- 日本生殖医学会生殖医療専門医制度認定研修施設
- 千葉県特定不妊治療実施医療機関
主な対象
女性外来
子宮・卵巣・卵管の各因子による女性不妊症
機能性不妊症
卵巣過剰刺激症候群、遺伝相談、排卵障害
男性外来
男性不妊症
閉塞無精子症、非閉塞性無精子症、乏精子症、精子無力症など
精索静脈瘤
下垂体機能不全など
各種がんに対する化学療法・放射線療法施行前の精子凍結保存
勃起障害,射精障害
特色
従来不妊診療は婦人科と泌尿器科で男女別々に行われていましたが、当院での婦人科・泌尿器科がチームを組み、外来で夫婦の情報を共有しつつ治療できるメリットは大きく、状況に応じた適切な治療を行うことができます。
当科では、まず原因の検索を行ってから治療法を決定し、検査をしても原因が明らかにならない場合やひとつの原因に絞ることが困難な場合は、より自然に近い治療法からトライし、段階的に高度な治療法に移る方針をとっています。
婦人科では、専門医による相談、タイミング法、排卵誘発、人工授精(洗浄)、腹腔鏡におる癒着剥離術、卵管閉塞の治療としてのFT(卵管鏡下卵管形成術)、体外受精胚移植(IVF-ET)、顕微受精(ICSI)、凍結胚を用いた胚移植など多彩な治療オプションを持っています。非配偶者間人工授精(AID)まで対応できる施設は県内には他になく、県内外から多くの方が受診されています。
現在、非配偶者間人工授精(AID)は、新規の患者さんへの提供を中止しております。
泌尿器科では、生殖医学会指導医による男性不妊症の治療を行っており、精索静脈瘤の内服および手術治療、精巣内精子採取術、精管精管吻合術や精管精巣上体吻合術などの無精子症に対する治療、担がん患者さんの治療前精子凍結保存など多様な治療方法を提案でき、勃起不全症については、専門医による外来を設けています。さらに、前児が障害を持って生まれ今回の妊娠・出産に不安がある場合、羊水診断などの出生前診断の結果に異常が認められる場合、不妊症の遺伝的な原因を究明したい場合などに遺伝相談を受けることができます。