本文へ

【全・市川】logo

  • 標準

【全・市川】tel

047-322-0151(代表)

H1

脳神経外科

コンテンツ

概要

佐々木 光 部長・教授
佐々木 光 部長・教授

東京歯科大学市川総合病院における脳神経外科診療は、1992年に外科の一員として開始されました。1996年に脳神経外科として独立し、現在では、常勤医5名(全員脳神経外科専門医)、非常勤医3名で、ほぼあらゆる脳神経外科疾患に対応する体制を整え、東葛南部医療圏における中核的施設となっております。特に2005年4月に開設された脳卒中センターでは、神経内科と協力して24時間体制で脳卒中の患者さんに対応しており、市川市における脳卒中急性期医療の中心を担っております。さらに、2022年4月に、慶應義塾大学病院で脳腫瘍診療を長く担ってきた佐々木が赴任し、東葛南部に留まらず近隣地域の脳腫瘍診療の中核となるべく、高度先進医療の提供体制を整えつつあります。何よりも、患者さん中心(patient-oriented)の医療を心がけて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

施設認定

  • 日本脳神経外科学会専門研修プログラム連携施設
  • 日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院
  • 日本脳神経血管内治療学会認定研修施設

主な対象疾患

脳腫瘍
神経膠腫、髄膜腫、神経鞘腫、脳悪性リンパ腫、下垂体腫瘍、転移性脳腫瘍など

脳血管障害
くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の外科治療・血管内治療
未破裂脳動脈瘤、脳血管奇形の外科治療・血管内治療

機能外科
三叉神経痛、顔面痙攣など

その他
頭部外傷、慢性硬膜下血腫、水頭症など

特色

1.脳腫瘍の治療に関して

脳腫瘍には、頭蓋内から発生する原発性脳腫瘍と、他臓器がんの脳転移である、転移性脳腫瘍があります。
原発性脳腫瘍は人口10万人に対して年間約20人強発生し、その7割は良性腫瘍、3割は悪性腫瘍です。髄膜腫、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)などの良性脳腫瘍に対しては、手術による腫瘍摘出が第一の治療選択肢となりますが、全摘出が困難な例、合併症のリスクが低くない例など、治療困難な症例も少なくありません。当科では、一般に技術的に困難とされる頭蓋底外科手術の経験を十分に有し、また、定位放射線治療(ガンマナイフやサイバーナイフ)施設との密接な連携から、治療の必要性やタイミングも含め、患者さんひとりひとりに適切な治療を提供致します。

近年、神経膠腫(しんけいこうしゅ)などの悪性脳腫瘍研究の進歩は著しく、腫瘍の病理診断と遺伝子異常の十分な理解の上で、初めて適切な治療が提供可能となります。治療は主に、手術、放射線治療、薬物療法の組み合わせからなりますが、個々の腫瘍タイプにより、標準治療や治療選択肢は異なります。さらに、ゲノム医療やウイルス療法を初めとする新規治療に関する知識や情報も重要です。当科では、術前画像からの腫瘍タイプの推測、術前手術シミュレーション、手術ナビゲーションシステムや覚醒下手術による正確な摘出、さらには病理・分子診断の理解に基づいた術後の放射線治療と化学療法など、総合力により、最善の治療を提供致します。また、万一の再発に備え、ゲノム医療(保険診療がん遺伝子パネル検査など)に関しても精通しております。
転移性脳腫瘍に対しては、脳病変の数、病変の部位、大きさ、がん種の特性、原発巣及び他臓器転移巣の治療状況、治療歴、全身状態、神経症状の有無などを踏まえ、患者さんおよび(原発がんの)主治医の先生とよく相談して、治療方針を検討します。脳腫瘍に関して何か疑問があれば、お気軽にご相談下さい。

2.脳血管障害に関して

脳血管障害の急性期治療に力を入れています。脳梗塞急性期では、2005年10月に認可された血栓溶解薬tPAの使用適応を守って積極的に投与しております。
認可後、4年で40例あまりに使用しましたが、千葉県内でも有数の使用頻度でした。一方、脳梗塞慢性期では、バイパス術、頸動脈内膜剥離術などを適応を守って行っております。最近の低侵襲医療であるステント治療も行っております。くも膜下出血に関しては、出血原因の脳動脈瘤の治療として、開頭クリッピング術と血管内治療をそれぞれの長所を生かして使い分けています。

脳血管内治療については、カテーテルという細い管を血管の中へ挿入し、

  1. 脳動脈瘤をプラチナ製の柔らかいコイルで詰めて破裂しないようにします。
  2. 頸部頚動脈や頭蓋内動脈の狭窄部位を、カテーテルの先端についた風船(バルーン)で拡張させ、必要があればステントという金属製のメッシュでできた内張りを留置して支えます。
  3. 急な脳梗塞で詰まった血管を薬剤の注入やバルーンでの拡張で再開通させます。
  4. 脳動静脈奇形や(硬膜)動静脈瘻に対して、原因部を塞栓して治療します。
  5. 脳腫瘍、頭頸部腫瘍、難治性鼻出血などに、(術前)塞栓術や動注化学療法を行います。

従って、(1)脳動脈瘤であれば、開頭術、血管内治療いずれも対応、(2)脳腫瘍や脳動静脈奇形であれば、血管内治療で血管を閉塞後に開頭術が可能です。

3.機能外科治療に関して

機能外科治療として、当院では歯科・口腔外科と共同して三叉神経痛治療に積極的に取り組んでいます。

三叉神経痛とは

会話、食事、歯磨き、洗顔、髭剃り時などに突然片側(右か左のどちらか一側)の口元から顔面や頭に向かって、電気が走るような激しい痛みが生じる病気です。痛みが続く時間は決して長くありませんが、とても耐え難い痛みです。口腔内に何ら原因が無い場合には脳内に原因が隠れている場合があります。最も多い原因は痛みが生じる側の三叉神経が頭の中で、脳血管の圧迫を受けているためとされています。圧迫が長期間に亘ると三叉神経が過敏な状態となり、口周囲の刺激で激しい痛みが生じやすくなると考えられています。

まず、痛みは薬剤にて加療を行いますが、薬剤の効果が不充分な場合や副作用のため服用出来なくなった際には手術を検討します。手術は三叉神経を圧迫している脳血管を移動させ圧迫を解除します。 (以下の術中写真参考、写真は患者さんの了解済み)。

三叉神経を圧迫している血管
三叉神経を圧迫している血管
手術で圧迫が解除された三叉神経
手術で圧迫が解除された三叉神経