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緩和ケア科

コンテンツ

診療内容

緩和ケア科では様々なつらさを有する患者さんに対して、つらさを軽減するための診療を行っております。緩和ケア科の対象となるつらさは全人的苦痛と言われ、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛が含まれます。その中でも緩和ケア科では、痛みや吐き気、便秘といった身体症状を中心に診療しています。それ以外の苦痛に対しては、診療科の枠を超えた緩和ケアチームを組織して、多職種が協働して対応しています。

緩和ケアチームには、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、リハビリ療法士が含まれ、患者さんの苦痛を和らげるために担当医と連携し、最善の医療を提供しています。日本緩和医療学会専門医資格(全国で244名が認定)を有する緩和ケア医による疼痛ケア、精神科医による抑うつ、せん妄ケアに加え、相談支援センターの退院調整看護師やソーシャルワーカーによる在宅療養への移行支援(後方支援)、及び在宅緩和ケアを行っている地域医療機関からの入院依頼(前方支援)に対応しています。

施設認定

  • 日本緩和医療学会認定研修施設

得意とする分野

得意とする分野

身体的苦痛の代表である「身体の痛み」の治療に鎮痛薬は欠かせません。軽度の痛みであれば通常の頭痛や腹痛の時に服用する薬局でも購入できる鎮痛薬で十分です。しかし、痛みがそれだけでは軽減、あるいは消えない場合にはもう少し強い痛み止めが必要になります。もう少し強い痛み止めの代表が医療用麻薬なのですが、2000年以前にわが国で使用できる医療用麻薬はモルヒネくらいしかありませんでした。このことは、日本緩和医療学会の歴史がまだ20年ほどであることからもわかると思います。

緩和ケアはがん対策基本法やがん対策推進基本計画において重視されていることもあり、今世紀に入りモルヒネ以外の多くの医療用麻薬が使用可能になりました。これらは、効果が高いことは言うまでもありませんが、吐き気や眠気などの副作用が少ない特徴も有しています。緩和ケア科では麻酔科出身の医師が豊富な知識と経験に基づいて身体的苦痛を中心に治療を行っています。実際にここ数年の実績として、担当した患者さんの身体的苦痛が軽減した割合は9割を超えています。

この他、緩和ケア科ではがん性疼痛管理の指針を策定し、薬物による症状コントロールをはじめ、神経ブロック、精神療法などを用いた対応も行っています。さらには放射線科と連携を密にして放射線治療も組み合わせて疼痛軽減を図っており、患者さんが住み慣れた地域で安心して療養していく支援をしております。

実績

2021年度緩和ケアチーム活動実績

全体の依頼内容 合計 135件
痛み 110件
呼吸苦 7件
吐気・嘔吐 3件
不眠・不安 3件
精神症状 2件
非がん 10件
介入患者の転帰
自宅退院 68件(53.1%)
転院 19件(14.8%)
死亡退院 26件(20.3%)
終診 15件(11.7%)
緩和ケア診療加算(1日につき)* 2,430件
緩和ケア外来依頼件数(延べ) 63件
外来緩和ケア管理料(1回/月) 42件

* 緩和ケア診療加算の算定要件
一般病床に入院する悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難などの身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、症状緩和に係る専従のチーム(緩和ケアチーム)による診療が行われた場合に算定する。

緩和ケア診療加算の施設基準
緩和ケアに関する研修を受けた医師(歯科医療を担当する保険医療機関にあっては,医師又は歯科医師)が配置されていること(当該保険医療機関において緩和ケア診療加算を算定する悪性腫瘍の患者に対して緩和ケアを行う場合に限る)。