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胸腔鏡下手術について

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胸腔鏡下手術について

胸腔鏡下手術とは

胸部に最大3~4センチの小さな創を3~4カ所開け、胸腔鏡というカメラを挿入し、モニター画面を見ながら専用の道具を用いて手術を行う方法です。一般の開胸手術に比べて創が小さい上、肋骨の切断や肋骨の間を手術中に開胸器で広げることをしないので、術後早期に疼痛が軽減し回復を助けます。

胸腔鏡下手術とは

当科の手術の約70%で胸腔鏡下手術が施行されています(2021年度調べ)。肺がんの手術では肺癌診療ガイドライン(2022年度版)を遵守して、主に臨床病期I期の肺がんに適応しております。ただし大きな腫瘍の場合などは、小さな創から摘出することが難しくなるため、開胸手術をさせていただいております。その場合も胸腔鏡や特殊な開胸器を使用し、最小限の創で手術を行う工夫をしております。開胸手術も胸腔鏡下手術のいずれも体内で行う目標は同じであり、治療効果に関する本質的な差はないと考えます。

いわゆる創の痛みについて

胸部の臓器は骨や筋肉に囲まれており、すべての肋骨には肋間神経が伴走しています。どのような手術でもこれらを全く損傷せずに内部の臓器の手術を行うことは困難であり、常に呼吸や咳によって動くことも影響して術後の生活に影響します。当科では麻酔科による持続硬膜外麻酔の施行により、手術直後の痛みはかなり抑えることができています。退院する頃になると人によっては肋間神経の痛みが気になることがあり、特に胸の前の方に急にピリピリと痛みが出たり、板が入っているような感覚を覚えたりすることがあります。痛みは徐々に軽減して、3か月後くらいになれば大半の患者さんは気にならなくなるようです。胸腔鏡下手術でも全くないわけではありませんのでご理解ください。

ご高齢の患者さんに関して

肺がんは老化による病気でもあるため、高齢者の大きな問題でもあります。当院の肺がん手術例の約45%は75歳以上の患者さんで、80歳以上の方も少なくありません。他に大きなご病気をお持ちの方などはご無理をするのは得策ではありませんが、適切な手術方法を選択することで結果的に身体的に負担が少ない治療となる場合もありますので、治療方針に悩まれている方は一度ご相談ください。