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羊膜のご提供をお考えのお母さまへ

コンテンツ

羊膜とは

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは、卵膜に包まれており、卵膜を満たす羊水中に浮いています。赤ちゃんは、卵膜と羊水によって外的な衝撃、細菌やウイルス等の感染から守られています。卵膜と胎盤は、帝王切開により赤ちゃんがお母さんのお腹の中から取り出された後に必ず摘出され、廃棄されます。

羊膜は卵膜の一部であり、卵膜と胎盤がお母さんのお腹の中から取り出された後に分離されるため、羊膜の提供によってお母さんや赤ちゃんに新たな危険が発生することはありません。

羊膜は、細胞とコラーゲンやラミニン等のタンパクからなる基底膜や緻密層からなり、血管を含まない半透明の薄い袋状の膜です。赤ちゃん由来の組織であるため、拒絶反応が起こりにくく、炎症を抑える働きがあります。薄くて伸縮性に富むため、昔から様々な医療用途に用いられています。

羊膜採取の実際

羊膜の提供は、無菌的にご提供いただくことが原則となりますので、帝王切開でのご出産が予定されているお母様に限られます。
ご出産の際に、羊膜の提供のために追加で処置をすることはございません。赤ちゃんがお生まれになった後に取り出された胎盤・羊膜を含む卵膜を羊膜バンクに搬送し、羊膜部分のみを保存・保管させていただきます。
赤ちゃんやお母様のお体が一番大切ですので、緊急でのご出産になった場合やご出産に関して何らかの追加処置がなされた場合は、ご提供のご承諾があった場合でも、ご提供いただかない場合もございます。

産婦人科についてはこちら

羊膜を使った医療について


保存作業中の羊膜

羊膜は、前記の様な特性を活かし、皮膚の熱傷治療や手術後の内臓の癒着を防止するなどの目的で使われています。また、近年では、眼科領域で治りにくい眼の病気にも使用されるようになってきました。
当バンクにご提供いただいた羊膜は、主に眼科領域のご疾患で困っている患者さんに移植されることとなります。

羊膜を使った研究・教育について

近年では、羊膜をそのまま治りにくい眼の表面に移植するだけでなく、眼や多くの組織の細胞を羊膜の上で培養(生体外で細胞を育てること)し、生体と同様の角膜上皮や多くの組織を作ったりすることが出来るようになりました。そのため、作製したこの組織を用いて、病気等により障害を受けた組織を再建して治療し、障害のある患者さんを助けることができるようになりました。

このように羊膜には様々な効果がありますが、そのメカニズムであったり、特徴であったり、まだまだわからない所もたくさんあります。これらを一つ一つ紐解いていくことで、羊膜の更なる効果を引き出したり、新たな効果を発見するなど、多くの患者さんを救うために、当施設では羊膜を用いた研究や開発を行なっています。
また、これらの技術を広く一般に普及させるために、臨床や研究における教育や研修も行なっています。

研究の様子
研究の様子
羊膜を使ったウェットラボの様子
羊膜を使ったウェットラボの様子
ウエットラボでの羊膜手術の練習
ウエットラボでの羊膜手術の練習