脊椎手術支援ロボット「MAZOR X」を導入!
(日本国内12台目、千葉県では初導入)
当センターでは、2025年4月より全国でも数少ない脊椎手術支援ロボット「MAZOR X」を導入いたしました。これにより、千葉県市川市で国際的に認められている安全で質の高い脊椎手術を提供できるようになりました。
「MAZOR X」は米国をはじめとする海外の多くの医療機関で導入され、その有効性が報告されています。特に手術精度の向上に関する研究が多く発表されており、当センターのモットーである「安全かつ確実な手術」のさらなる発展が期待されます。
従来、脊椎変形が強い症例では、手術計画は立体的に行う必要がありますが、レントゲンやCTの情報を参考に立てた手術計画を、実際の手術室で三次元的に正確に再現することは困難で、脊椎手術における椎弓根(ついきゅうこん)スクリューの安全な設置が課題でした。このような難症例においても、「MAZOR X」を活用することでより安全性の高い手術の実現が可能になります。(費用は保険適用となります。詳しくは受診の際にお尋ねください。)
当センターでは、患者さんにより良い治療を提供するため、常に新しい技術の採用を検討しております。脊椎疾患でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
「MAZOR X」とは?
「MAZOR X」は、脊椎手術の際に骨の位置や角度を3次元的に正確に把握し、医師が安全に手術を進められるようサポートするロボット支援システムです。3D立体画像のナビゲーション機能を用いて手術部位の筋肉や骨への侵襲を可能な限り抑えながら、「MAZOR X」のロボットアームが脊椎固定スクリューを自動的に正確な位置に設置し、医師が正確な角度でスクリューを脊椎に挿入できるよう支援します。
手術プロセスは以下の3段階で構成されます:
- 術前計画:患者さんのCT画像から3Dモデルを作成し、より正確なスクリュー配置をシミュレーションします。
- ロボットガイダンス:手術中にロボットアームが工具を保持し、計画通りにスクリュー軌道を確保します。
- ナビゲーション:リアルタイムで工具の位置を可視化し、医師がロボットアームの動作を確認しながら精度を最終的に保証します。
「MAZOR X」の導入は患者さんに以下のような利点をもたらします:
- 手術の安全性と精度の向上: 神経や血管の損傷リスクが減少し、長期的な結果が改善されます。(1,2,3)
- 放射線被曝量の低減: ナビゲーション技術により、術中のX線使用量が減少し、患者さんと医療スタッフの被曝量が軽減されます。(4)
参考文献
- A Single Surgeon Direct Comparison of O-arm Neuronavigation versus Mazor X™ Robotic-Guided Posterior Spinal Instrumentation.
Gordon Mao, Michael J. Gigliotti, Daniel Myers, Alexander K Yu, D. Whiting
World Neurosurgery·2020
https://doi.org/10.1016/j.wneu.2020.01.175
- Robotic-Assisted Pedicle Screw Placement During Spine Surgery.
I. Lieberman, S. Kisinde, Shea Hesselbacher
JBJS Essential Surgical Techniques·2020
https://doi.org/10.2106/jbjs.st.19.00020
- Complications and Revision Rates in Minimally Invasive Robotic-Guided Versus Fluoroscopic-Guided Spinal Fusions
Christopher R. Good, Lindsay D. Orosz, Samuel R. Schroerlucke, A. Cannestra, Jae Lim, Victor W. Hsu, F. Zahrawi, Hunaldo J. Villalobos, P. M. Ramirez, Thomas M. Sweeney, Michael Y. Wang
Spine·2021
https://doi.org/10.1097/BRS.0000000000004048
- The Clinical Impact of Image Guidance and Robotics in Spinal Surgery: A Review of Safety, Accuracy, Efficiency, and Complication Reduction
David H. Campbell, Donnell McDonald, K. Araghi, Tala Araghi, N. Chutkan, A. Araghi
The International Journal of Spine Surgery·2021
https://doi.org/10.14444/8136