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オーラルメディシン・病院歯科学講座は、40年の歴史を有するオーラルメディシン講座の伝統と歴史を継承しており、医科歯科連携と多職種連携を基盤に地域包括医療における病院歯科の機能を強化し、市川総合病院における歯科医療の一層の充実を目的として2020年4月に改名・設立されました。オーラルメディシンは主に診断学を基盤とした「口腔内科学」ですが、口腔疾患だけに目を向けるのではなく、患者の全身的・医学的背景を考慮した診断と治療を目的としています。超高齢社会を向かえた我が国において、複数の医科基礎疾患を有する歯科患者の増加に伴い、口腔内科学を基盤とした歯科医療のニーズは年々増加しています。本講座は、市川総合病院という最先端医療の恵まれた環境において、医科歯科連携はもちろん、多職種との連携も密にとりながら多様化する患者ニーズに応え、歯科医療を通して国民の健康増進に寄与することをモットーに講座員一同取り組んでいます。
オーラルメディシン学は単に口腔内の疾患に注目するのではなく、大局的な視点から疾患を捉え、患者の全身的・医学的背景を考慮した診断と治療を行う学問です。 [卒前教育] 第4学年のオーラルメディシン学では、口腔腫瘍外科学講座と協力して口腔内科学を軸に、全身疾患と口腔疾患との関連性、有病者・障がい者の歯科治療と全身管理、摂食嚥下リハビリテーション、周術期口腔機能管理、多職種連携とチーム医療などに関する教育を担当しています。第5学年の臨床実習では、前期は医科診療科による隣接医学実習、後期は外来・病棟での病院歯科実習を実施しています。また、訪問看護ステーションと協力した地域包括ケア実習やスキルスラボを利用して実際の臨床を想定した高度シミュレーター教育も行っています。 [卒後教育] 卒後臨床研修では、全身疾患や障害を有する患者に対して安心・安全で質の高い歯科医療の提供し、多職種と連携して地域包括医療に貢献できる臨床能力の修得を目標とした研修プログラムを提供しています。更に高い専門性の修得を希望する歯科医師に対しては、大学院、臨床専門専修科生としてのキャリアプランを提供しています。また、市川総合病院は日本口腔外科学会、日本歯科麻酔学会、日本老年歯科医学会など様々な学会の指導施設に認定されており、各種関連学会の認定医、専門医を取得するためのプログラムも提供しています。
病院歯科の業務内容は口腔外科、口腔内科を基盤とし、有病者歯科、障がい者歯科、周術期口腔機能管理、摂食嚥下リハビリテーション、多職種協働とその連携役など多岐にわたっています。2022年9月に完成した新歯科外来棟は最新の設備を有しており、日帰り全身麻酔での歯科治療も実施しています。すべての患者様に安全かつ安心で質の高い歯科医療を提供するために講座員が一丸となって日々の診療にあたっています。 また、市川総合病院併設の口腔がんセンターとも共同して、手術後に顎や舌を切除した患者さんに対して、特殊な義歯(顎義歯)や口腔内装置(舌接触補助床)などを用いた機能回復治療も行っています。 [主な診療分野] オーラルメディシン 有病者歯科(歯科麻酔領域を含む) 障がい者歯科(歯科麻酔領域を含む) 歯科・口腔外科 摂食嚥下リハビリテーション 顎補綴 周術期口腔機能管理 口腔粘膜疾患治療 睡眠呼吸障害治療 口腔インプラント など