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東京歯科大学東京歯科大学短期大学

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顎骨疾患プロジェクト

コア研究

コア研究

ストレス制御部門

責任者:生理学講座    黄地 健仁
課題名:4次元構成ストレスによる細胞機能制御

物理化学ストレス感受性イオンチャネルであるtransient receptor potential channel subfamilies(TRPV1, TRPV2, TRPV4, TRPA1)やメカニカルストレス感受性イオンチャネルであるPiezo1の象牙芽細胞やMerkel細胞での役割を明らかにしてきた(Shibukawa et al., 2015; Soya et al., 2014)。さらに一次感覚ニューロンである三叉神経節や三叉神経中脳路核ニューロンの多ストレス感受性受容体・チャネル解析を行ってきた。一方で、これらストレス刺激の時間−空間的な細胞応答、あるいは時間ストレスとしての睡眠障害による機能変調についての詳細は不明である。そこで本研究では、物理・化学ストレスや時間−空間的ストレス暴露下での、口腔諸組織細胞の機能変調を解析・評価する。加えて時間ストレス暴露下で、口腔組織構成細胞とニューロンとの細胞間連絡の時空間的な解析から、睡眠障害に伴う感覚変調(疼痛強度変調)を解明したい。具体的には以下を目的とする。
1)象牙芽細胞のメカニカルストレスに対する細胞内シグナルの空間的応答と細胞機能変調(疼痛発生機構・象牙質形成機構)関連解析
2)Merkel細胞への過剰メカニカルストレスと神経因性疼痛の関連、あるいはAllodyniaモデルに対する薬剤ターゲットとしてのMerkel細胞の可能性の解明
3)三叉神経節・三叉神経中脳路核ニューロンのメカニカルストレスに対する細胞内シグナルの空間的応答と細胞機能変調(疼痛発生機構・硬組織形成機構)関連解析
4)三叉神経節・三叉神経中脳路核ニューロンと、口腔諸組織を構成する細胞との共培養確立による空間的シグナル伝達の時間的解析
5)時間ストレス、すなわち睡眠障害による口腔領域疼痛強度変調のin vitro/vivo実験からの解析

骨メカノバイオロジー部門

責任者:生化学講座    中村 貴
課題名:硬組織メカノレスポンス機構の解明

骨は異なる起源と特異的機能をもつヘテロな細胞集団によって構成される複合組織であり、支持組織として重力・圧縮・伸展など細胞内外からのさまざまな機械刺激(メカニカルストレス)に対して柔軟かつ精巧に骨形態を変化させ適応する能力を有する。しかしながら骨組織を構成する種々の細胞がどのようにして物理的な刺激を感知し、細胞内の化学的シグナル変換を介して生物学的な応答を導くのか、その分子メカニズムは十分解明されていない。最近我々は局所的な骨形成異常を呈する遺伝性疾患に着目して研究を進めた結果、メカニカルストレスによって発現誘導される骨形成促進サイトカインの同定に成功した。そこで本コア研究部門ではこのメカニカルストレス応答性サイトカイン分子を基軸としたメカノレスポンス機構の詳細について解明を試みる。特に細胞骨格やその相互作用分子によって構成されるメカノトランスデューサー複合体の存在を仮定し、これら複合体構成分子の骨組織構成細胞種特異的な遺伝子ノックアウトマウスを駆使してメカノセンシングから遺伝子発現へと至る情報伝達系の制御メカニズムおよびその結果としての細胞応答を明らかにすることで、生物の力学応答の基本原理とその破綻によってもたらされる疾患発症機序の包括的理解を目指す。

リスク因子検討研究部門

責任者:歯周病学講座   今村 健太郎
課題名:環境因子が歯周組織再生に及ぼす影響

歯周病は細菌、環境および宿主の3因子が関与し発症・進展する疾患である。我々は、これら3因子の相互作用の解明を目的に一連の研究を進めてきた。まず、環境因子のタバコ煙が歯周病原細菌と宿主細胞の相互作用に及ぼす影響を、Porphyromonas gingivalis の細胞侵入による宿主細胞応答を評価することで明らかにしてきた。また、近年の日本における喫煙者の動向として、紙巻タバコ(CC)から新型タバコへの移行が進んでいる。新型タバコの中でも、市場占有率の25%をしめる加熱式タバコ(HNBC)にはニコチンが含まれており、そのエアロゾルによる細胞機能への影響も報告されているが、歯周組織や歯周組織再生療法の治療効果に及ぼす影響については不明である。 塩基性線維芽細胞増殖因子 (FGF-2) は、歯周組織治癒の促進効果が報告されており、歯周組織再生療法に成長因子として使用されている。我々は、FGF-2に関しても基礎研究からランダム化比較試験まで行っており、様々な情報を蓄積している。また、喫煙が歯周組織治癒を阻害する因子である事はよく知られているが、従来の歯周組織再生療法を検討する臨床研究において、喫煙者は被検者として除外されることが多い。そのため、臨床的に歯周組織再生療法とCCおよびHNBCの関連を詳細に検討することは困難である。そこで本研究の目的を、ラット歯周組織欠損モデルを用いて、CCおよびHNBCが歯周組織再生療法後の治癒にどのような影響を及ぼすかを比較検討することとした。