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口腔腫瘍外科学講座は、歯科大学付属総合病院ならではの特色を活かした口腔外科学、口腔腫瘍学のさらなる充実を目的として2020年4月に新たに設立されました。口腔腫瘍外科学は口腔がんをはじめとして、基礎疾患を背景にもつ口腔外科症例、高難度口腔外科症例を対象とし、その病因や治療法について追求する学問です。また、医科診療科との連携を軸とし、全身に関連する口腔の難治疾患の新たな診断法や治療法の開発など、先進的な歯科医学の確立を推進しております。 診療においては、総合病院での治療が必要な高い専門性が求められる症例に幅広く対応できる体制となっております。歯学部学生教育においては、オーラルメディシン・病院歯科学講座とともに、基礎医学の知識習得、心電図実習、医学教育用シュミレーター(SIM MAN、マナボット)などを使用した急変時の対応法など、より臨床に則した実習形式の学習を行なっています。さらに、実際の症例を使用し、臨床推論を中心とした診断、治療学について触れ、実践的で幅広い知識を身に付ける事を目標に指導体制を整備しております。
口腔腫瘍外科学講座では、外来、病棟において様々な疾患をもった症例の口腔・顎顔面領域の治療を行っています。卒前臨床実習では、全身疾患と口腔との関係、他職種との連携のもと、高度で先進的な口腔外科学の一端に触れ、次世代の歯科医師育成に主眼を置いております。前期は医科実習で基礎医学を学び、後期では総合病院歯科実習へと進めていきます。また卒後研修では、全身疾患を有する症例、口腔外科手術に必要な知識や技術、さらに医学教育を関連診療科の医師とともに行っています。高いスペシャリティーと多様性溢れるサブスペシャリティーの習得により、一人一人に合ったキャリアプランをデザインします。
○口腔癌の診断と治療に関する研究
○口腔粘膜疾患の診断と治療に関する研究
○全身疾患と口腔との関連についての研究
○ロコモティブシンドロームと顎骨に関する研究
口腔腫瘍外科学講座は総合病院の中にある口腔外科系講座です。また、総合病院の特徴を活かしチーム医療、医科歯科連携を基盤に他院では管理の難しい全身疾患を有する口腔外科疾患に対応しております。すなわち、診療の主体は高度な口腔外科治療となります。さらに、地域の基幹病院としての役割も重要となり、真の意味での病診連携を進めています。 また、併設の口腔がんセンターと共同して口腔がんの診断と治療も行っています。このように総合病院における歯科・口腔外科としての責務は今後ますます大きくなると思われます。診療科および講座としての更なる飛躍、発展を期しています。