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我が国は今、超高齢社会を迎えている。2020年には全国で325万人が認知症になると予想され、脳血管障害などの中枢神経障害だけでなく医療の進歩によってダウン症候群などの高齢障害者も増加している。今後、地域包括医療が推進されていくと思われ、歯科治療は難度やリスクが高くなると推測される。 また昨今、歯科を訪れる患者さんの主訴が多様化している。多剤アレルギー、化学物質過敏、精神疾患、原因不明の痛み、神経損傷によるしびれや痛み、異常な嘔吐反射、極度の歯科恐怖感などを有する多種多様な歯科治療困難患者が歯科に来院する。このような時代背景のなかで社会のニーズに十分に対応する歯科医師の育成と高度な歯科医療を提供するための障害者歯科や口腔顔面痛に関する研究を推進していく研究室である。
薬理学・生理学的基礎研究、ゲノム研究、医療統計、疫学的調査等によって以下に関する新しい知見を発信していくことを目標としている。
講義、シミュレーション実習、症例見学、症例検討等によって以下に関する基本的な能力の修得をさせることを目標としている。
近年の障害者数の増加や超高齢社会、医療の進歩による全身既往などの複雑化に対応するため、障害者、要介護者や有病者さらに難治性の原因不明疼痛などの特別な配慮が必要な患者を対象としたスペシャルニーズ患者に対する診療部門を平成27年4月の講座開設に伴い、充実させています。 スペシャルニーズ歯科は、通常の歯科治療をおこなうにあたり、永続的かあるいは一時的かに関わらず、障害や病気により通常の歯科治療を受けられない患者の歯科治療をおこない、ペインクリニック科では、非歯原性歯痛、口腔顔面領域の神経痛や筋筋膜痛、抜髄・抜歯後の異常慢性疼痛、舌痛・粘膜痛など歯科の一般の診療所では除痛が困難な痛みを専門としています。 また、地域包括医療における医科歯科医療連携を促進する一環として、睡眠時無呼吸症候群や妊婦の歯科治療、提携病院への訪問診療なども行っており、その診療内容は多岐にわたります。