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クラウンブリッジ補綴学(歯冠補綴・架工義歯学)は、顎口腔系のリハビリテーションを分担する一科目であり、歯科医療における最終段階の処置です。すなわち、残存する歯質に人工的な装置を結合させ、失われた口腔の諸機能の回復、改善をはかることによって咬合の維持・安定と審美性を確立することを目的としています。
第4学年時には臨床実習に先立ち、有歯顎における基本的な咬合様式、補綴処置と口腔機能および審美性との関連に関する知識を履修します。また、後期には咬合の保全の重要性を理解したうえで、ワックスアップや支台歯形成といった技能を臨床基礎実習で修得します。 第5学年時には補綴科での臨床実習を通して、歯科診療における補綴治療の位置づけを学び基本的術式を経験します。 第6学年時には総合講義などを通じ、優れた歯科医師となるための補綴学的専門知識を習熟します。
クラウンブリッジにおける研究は、咀嚼機構、審美性、歯冠補綴材料と接着(合着)材料、咬合、咬合と全身との関連性など多岐にわたります。また、デジタルデンティストリー(CAD/CAM,オーラルスキャナー,バーチャル咬合器)のほかCAD/CAM冠やオールセラミッククラウンなどの材料学的研究や、幹細胞などをもちいた再生歯科医学的研究などをニーズに沿ったかたちで先進的に取り組んでいます。得られた知見をまとめ、学術論文などで世界に発信することにより歯科医学の発展に貢献しています。
クラウンブリッジ補綴学講座では、う蝕や歯周疾患、外傷などが原因で歯を失った患者に対し、クラウンやブリッジによる固定性の補綴装置を使用した補綴治療全般を行います。損なわれた形態や機能を補綴装置により回復することにより、咀嚼・嚥下・発音などの機能回復・改善と審美性の改善を担います。そして回復された機能を、恒常的に維持し続けるように患者教育やメインテナンスを行っています。日々の適切な補綴治療を通じて、歯科医学界に貢献し、我が国の国民健康増進に寄与しています。