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2025.07.23

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倉島竜哉大学院生APPW2025にてGraduate Student Presentation Awardを受賞

 2025年3月17日(月)から19日(水)に、幕張メッセ(千葉市)において開催されたAPPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)にて、生理学講座の倉島竜哉大学院生がGraduate Student Presentation Awardを受賞した。受賞演題は「象牙芽細胞における細胞内アラキドン酸カスケードを介したPiezo1-TRPV1/TRPA1チャネル機能連関」であった。

 冷水などで生じる歯の痛み(象牙質痛)は、象牙芽細胞に発現する機械感受性イオンチャネルであるPiezo1チャネルおよびTRPチャネルが活性化した結果として生じること、象牙芽細胞のPiezo1チャネルの活性化は象牙質石灰化を抑制することが明らかになっている。これまでの同講座の研究で、象牙芽細胞の機械感受性応答のシグナル最上流にPiezo1チャネルが存在し、TRPチャネル活性をその下流シグナルで制御することが示唆されていたが、そのシグナルの詳細は明らかにされていなかった。今回の研究で、象牙芽細胞におけるPiezo1チャネルの活性化がアラキドン酸カスケードを開始する細胞内ホスホリパーゼA2活性化とそれに続くシクロオキシゲナーゼ1の活性化を介して、TRPV1チャネルおよびTRPA1チャネルを活性化すること、およびシクロオキシゲナーゼの阻害はPiezo1チャネルの活性化による象牙質石灰化抑制に影響しないことが示された。

 今回の研究で明らかになったメカニズムを標的に、生理学的な象牙質形成に影響することなく象牙質痛発生を抑制する薬剤としてのNSAIDs(シクロオキシゲナーゼ阻害薬)の適用が可能となるかもしれない。今後、本研究のさらなる発展が期待される。


受賞した倉島竜哉大学院生(左)と澁川義幸教授

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