本文へ
2025.10.31
2025年6月5日(木)から6日(金)に、松山市の愛媛県県民文化会館において開催された日本歯科保存学会2025年度春季学術大会(第162回)にて、歯周病学講座の宮田直樹助教が日本歯科保存学会奨励賞を受賞した。本賞は、歯科保存学の領域において優れた業績をあげた日本歯科保存学会の会員を表彰するとともに、若手研究者の育成を目的に,雑誌掲載論文を審査対象とし、表彰するものである。
受賞論文は「Combined Effects of Fibroblast Growth Factor-2 and Carbonate Apatite Granules on Periodontal Healing: An In Vivo and In Vitro Study」であり、国際誌Biomedicines (JCR-Q1 Pharmacology and Pharmacy) に2024年に掲載されている。研究内容は、成長因子の1つである塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)と足場材である炭酸アパタイト(CO3Ap)の併用が歯周組織治癒に及ぼす影響についてin vivoおよびin vitroの観点から検討したものである。
本研究ではCO3ApにFGF-2を添加することで、細胞の付着および増殖が促進され、骨芽細胞の分化が制御されることで、歯根付近からの新生骨形成を促し、歯周組織治癒を促進することを見出した点が評価され、受賞に至った。今回の知見を基に、より詳細なメカニズムの解析を含めた研究を行うことで、予知性の高い歯周組織再生療法の確立や新規足場材の開発への足掛かりになることが期待される。
受賞した宮田助教(右)と齋藤 淳教授
一覧へ